サッカーにおける『アシスト』の定義とは?

サッカーにおける『アシスト』の定義とは?

今回は、サッカーにおける『アシスト』についての話しです。

先日の試合で、僕は1ゴールを記録しました。

そして、「1アシスト…?」をしました。

なぜ ”?” かというと、まずは動画のプレーを見てください。


背番号14の僕がシュートを打って、相手GKがボールを弾き、味方FWがそのこぼれ球に反応してゴール。

このプレー、記録上は”アシスト”が付かないと僕は思っていました。

 

試合後、ルールについて詳しくない妻から「試合に負けちゃったのは残念だけど、今日は1ゴールと1アシストだったね!」と言われ、

「いや、あのプレーはアシストでは無いよ」と教えてあげたんですが…

 

翌日、チームが独自に記録している試合のデータを見ると、動画を上げた僕のプレーに、”アシスト”を記すマークが付いていました。

「これは試合記録の間違い?それとも本当は記録上アシスト?」

 

そこで生まれた疑問。

「果たして、アシストの定義って何なんだ?」

 

自分はプロサッカー選手であるにも関わらず、アシストの正しい定義を知らずに今日までを過ごしていたことに気付きました。

 

気になったので、動画をTwitterに載せてみたところ、「アシストではないよ」という反応もあれば、「え?これってアシストになるんじゃない!?」という反応もありました。

 

僕だけに限らず、意外と多くの方に知られていない、サッカーにおけるアシストの定義。

前置きが長くなりましたが、今回の出来事をきっかけにアシストについて調べたことを紹介します。

 

目次

結論…

 

結論から述べます。

サッカーにおける、アシストの明確な定義はありません!

以上です(笑)。

 

詳しく説明します。

アシストについては、公式記録としてカウントしていない。

Jリーグでも公式には記録していないようです。

ですので「このプレーはアシストとカウントする!」と、FIFA等で明確に定められた決まりはありません。

日本の高校サッカーや大学サッカーでは、大会ごとに独自のアシストの定義を定めてカウントされていることが多いようです。

また、Jリーグでは定義がありませんが、前身の日本サッカーリーグ時代には、アシストの定義を定めていたようです。

・得点に繋がる直前のパス

・パスの後に、ドリブル等の個人プレーを挟まない(3タッチ以内)etc…

メディア等で紹介されるアシストランキングも、そのランキングを作成している方が独自にカウントしているものなので、それぞれの解釈によって誤差が生じる可能性もありますね。



公式記録では存在しない「アシスト」

 

今回の僕のプレーについては、他の選手(相手GK)が意図的にボールに触れた後にゴールが生まれているので、アシストにはならない可能性が高いと考えられます。

しかし、先に述べたようにアシストの正確な定義はありません。

現在のモンゴルリーグでも、個人のゴール数はカウントされていて得点王の表彰もありますが、アシストに関してはカウントされておりません。

Jリーグと同様に、公式記録としてアシストは記録していないのでしょう。

 

アシストの定義は人それぞれ

 

ということで、「今日は1ゴールと1アシストだったね!」と言った妻の一言は、ある意味間違いではなかったようです。

正確には「1アシストに相当するプレーだったね!」といったところでしょうか。

チームが独自に付けているデータも、間違いとは言い切れませんね。

きっと、1アシストに相当するプレーだったということで、アシストのマークが記されていたのでしょう(絶対そこまでは考えていないだろうけど…笑)。

 

結果にこだわる

 

今回の出来事をきっかけに、サッカーにおけるアシストについて新しい事実を知りました。

ですが、なぜプロサッカー選手である自分が、今日までアシストの定義が定められていないことを知らなかったのか…

 

それは、個人的にアシストを記録したところで、チームが試合に勝たなければ意味が無いと思っていたからでしょう。

その為、アシストについて興味が沸かなかったからです。

子供の時(特にジュニアユースや高校生以降)にプロサッカー選手を目指していた頃から、「結果にこだわる」が一番重要だと、知らずのうちに信じ込んでいたことも、大きく影響しているかもしれません。

結果にこだわることが、悪だと言いたい訳ではありません。

むしろ、とても重要な要素です。

結果にこだわってきたからこそ、プロサッカー選手である今の自分の姿があると思います。

 

しかし、結果に固執し過ぎてしまい、違うサッカーの楽しみ方を知らなかった部分もあるのではないかと思います。

現代サッカーでは、選手個人のゴール数をはじめ、アシスト数やタックル回数、スプリント回数や走行距離など、個人の数字(=個人の結果)が細かく数値化されています。

そういう部分にも着目することも、1つのサッカーの楽しみ方。

だけど、今回の僕のプレーのように、数字には表れるか分からないけど、ゴールに直結するような勝敗に大きく関わるプレーにも注目すること。

それもサッカーの楽しみ方の1つだと思います。

 

サッカーにはそこまで詳しくは無いけど、僕個人を応援してくれる方から「次は試合に勝てるように、また活躍してね!」という主旨の言葉を掛けて頂きました。

きっと、ゴールだけではなく、アシストに相当するプレーはサッカーに詳しく無い人にも活躍が伝わりやすいプレーです。

そのようなプレーの回数を増やすことも、めぐり巡って、チームの結果につながるはずです。

サッカーに詳しくない人にも僕の活躍が伝わるように、”アシストに相当するプレー”を、今後も増やそうと思う次第です。

それが、本当の意味での『結果にこだわる』ことに繋がるはずです。

 

「まあ、それでも一番気持ち良いのはゴール!」

ということが本音であることも、包み隠さずお伝えします。

次こそは、チームを勝利に導くゴールを決めます!

サッカーの奥深さや面白さを、改めて実感する出来事でした。

大津一貴

 

 

About The Author

大津 一貴
夢を諦めて一般企業へ就職するも、22歳でがんを患い生き方を改める 。その後、脱サラして海外でプロサッカー選手に。モンゴル1部・FCウランバートル所属。1989年10月25日生まれ、北海道出身。

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