プロサッカー選手として、週末に緑色のピッチに立つ日常が戻ってきた。
この瞬間を今年も迎えられたことは、本当に幸運だし、とても幸せなこと。
その幸せな感情と、自分に関わる人や、チームに関わる全ての人たちへの感謝を気持ちを胸に、開幕戦のピッチに入場した。
『きっと勝てる。』
自分の中では、そう確信していた。
試合の主導権を握りながらも、なかなかゴールが決まらないまま前半を0-0で折り返しても、自分の中での確信は揺るがなかった。
それは、相手の表情や雰囲気、試合の流れ、今までの経験…
そして何よりも、味方選手のことを100%信頼している自分が居たことが、一番自信に繋がっていた。
後半、自分の思惑通りの展開が待っていた。
ボランチでの出場で、守備的な役割も多い中、一瞬の隙をついて味方選手が空けた前線のスペースへ走りこむ。
パスを受けたボールを、右サイドからグラウンダーでクロス。
味方FWが、トラップで相手選手を上手く交わし、そのままシュート。
自分のラストパスから、待望の先制点が生まれた。
その後、追加点を重ねて、最終スコアは4-0。
2部から昇格してきたホルムホンFCに、無事勝利を収めた。
今シーズンの個人的な目標は、『チームに関わる全ての人たちを幸せにする』こと。
なんだかざっくりしているし、”10ゴール、10アシスト”とか、”リーグ優勝”とかではないので、具体性に欠けている目標。
「プロサッカー選手として生き残るためには、結果が全ての世界なのに、何を暢気なことを言っているんだ!?」と突っ込まれそうだ。
それでも、僕は本気でFCウランバートルに関わる全ての人たちの幸せを願っている。
願っているだけではなく、自分ができることには100%全力を尽くす。
自分の心の中にいるリトル大津と、僕はそのように約束を取り決めた。
FCウランバートルに関わる人たちの数って、意外と多いと思う。
選手やスタッフは勿論のこと、その選手やスタッフにはそれぞれ家族がいるので、その人たち全員がチームに関わる人たち。
直接的ではなくても、スポンサー企業で働く人たちや、応援に来てくれるサポーター、彼らもチームに関わる人たちだ。
もっと言えば、過去にFCウランバートルに関わっていた人たちや、これからの未来にFCウランバートルに関わる人たち。
その人たちの家族や仲間も含めていくと、時空を超えて、自分ではとても数え切れない人たちの幸せを、僕は背負っていることになる。
逆に言うと、それだけの仲間が僕には存在するということ。
”自分ひとりでは、何も成し遂げられない”
これは、いままでサッカーを通じて嫌と言うぐらい学んだこと。
今回、個人的には3シーズン目のモンゴルでの挑戦で、過去2シーズンのリーグ成績は、どちらも2位。
当然、今年は優勝するためにFCウランバートルに戻ってきたし、「優勝しなければ、お前の次は無いぞ」と、チームマネージャーからも言われた。
でも、自分1人でチームを優勝に導くことは正直無理。
それができるなら、既に優勝してるはず。
やっぱり、チーム全員で協力しなければ試合には勝てない。
開幕戦も、チーム一丸となれたからこそ、勝利することができた。
それを今後も実現させるためには、チームに関わる全ての人たちが幸せであることが、必要不可欠だと僕は思う。
そして、その幸せを感じるためには、今あるものに感謝する心がとても大切。
これは、僕が人生レベルで学んできたことでもあるし、日本人として生まれてきた自分の特性でもある。
その自分の強みを最大限活かすために、チームに関わる全ての人たちの幸せを願うし、より幸せレベルを上げる。
その心構えで行動することにより、自然と結果に相応しい自分になる。
結果に相応しい自分であれば、自然と欲しいモノも手に入るだろう。
『チームに関わる全ての人たちを幸せにする』
”10ゴール、10アシスト”とか、”リーグ優勝”という目標なんかより、はるかに難しい目標でもあるだろう。
だけど、僕には既に沢山の仲間が居る。
このブログを読んでくださっているあなたも、きっとその1人。
そんな仲間たちと協力して、お互いの幸せを感じながら、これからの日々を過ごしていきたい。
きっと、その心構えで行動することが自分の中で自然な行動となった時、自分が欲しいモノが自然と手に入るんじゃないかな。
常に周りの人たちの幸せを気に掛けて、自分も幸せに生活する。
なんだか、今プレーしているボランチのポジションの役割と似ているような気もする。
僕自身がボランチで、攻撃も守備も、敵も味方も、常に今の状況を把握しながら、様々なことを考えて、最善の選択をしながらプレーしていることも、きっとこの目標と繋がりがありそうだ。
幸せを感じられていると、サッカーをプレーしていても楽しいので、より幸せになって、より楽しくサッカーをプレーしようと思う。
それが、大津流のプロサッカー選手!
僕の2019シーズンが、ようやくスタートしました。
大津一貴