北海道胆振東部地震 復興支援活動のご報告 ~海外組サッカー選手だからこそできること~

北海道胆振東部地震 復興支援活動のご報告 ~海外組サッカー選手だからこそできること~

2018年9月6日、北海道胆振東部地震が発生。

地震発生当時、私はシーズン中でモンゴルにいました。

生まれ故郷である北海道の状況を、ネット情報で探る為にスマホとにらめっこすることしかできない自分に、不甲斐なさや苛立ちを感じていました。

しかし、地震から数日。

自分の心境に変化がありました。

「海外組サッカー選手である自分だからこそ、北海道のためにできることがあるのではないか?」と…。

 


 

11月26日、様々な活動から集まった支援金(総額10万円)を、震源地から程近い、浜厚真野原公園サッカー場を管理している特定非営利活動法人YAGENフットボールクラブ(代表理事:石塚 東洋雄 氏)さんに、寄付させて頂きました。

 

地震発生から、サッカー教室とイベントの開催、支援金寄付の詳細を、このブログにて報告させて頂きます。

 

目次

GFAへの相談

●2018年9月9日

地震発生から3日後。

私が1番得意なサッカーを活かして、北海道復興支援に少しでも貢献できないか!?という想いから、同い年の現インドリーガー、久保木優選手に相談しました。

彼は、GLOBAL FOOTBALLERS ASSOCIATION(海外サッカー選手会。以下:GFA)の代表で、イベント開催の実績もあり、何よりも信頼して相談できる相手だったので、迷わず久保木選手に連絡しました。

※久保木選手が主催したイベントやGFA設立への想いは、こちらのページをご覧下さい

色々と相談をさせてもらった結果、

「オフシーズンに日本でチャリティーイベントを開催する」

という結論に至ります。

 

また、その想いに賛同してくださり、GFAからの支援金として【4,373円の寄付をご協力頂きました。

 

GFA代表の久保木選手、震災当時はシーズン前の忙しい時期だったにも関わらず、色々と相談に乗って頂き、本当にありがとうございました。

※2018年11月現在 インドリーグ / Minerva Punjab FC 所属 久保木 優 選手

ホームテック(株)主催 北海道復興支援チャリティーサッカー教室

●2018年10月20日

シーズン終了後、私が日本に帰国したタイミングで、サッカー教室を開催しました。

私の個人スポンサーである、ホームテック株式会社主催のサッカー教室で、

「このサッカー教室を北海道復興支援のチャリティーイベントとして開催できないか?」

と、打診させて頂いたことがきっかけでした。

私の要望を柔軟に対応してくださり、無事に北海道復興支援チャリティーイベントとして、サッカー教室を開催。(東京都多摩市)

このイベントに参加してくださった子供たちの保護者や、ホームテック(株)の皆様から、支援金として【5,627円】をご協力頂きました。

※ホームテック(株)主催 北海道復興支援チャリティーサッカー教室 in聖蹟桜ヶ丘 の様子はこちら

 

サッカー教室に参加してくれた子供たち、保護者の皆様、ホームテック(株)の皆様、本当にありがとうございました。

※サッカー教室当日の様子

 

多世代スポーツ交流イベント(SSS札幌サッカースクール)

 

北海道でのサッカーイベントを開催するにあたり、一番の問題が場所の確保でした。

そこで、私が小中学生時代にお世話になったSSS札幌サッカースクール(以下SSS)へ、企画書を元に相談しました。

すると、「もし一貴の目的が北海道の復興支援なら、一緒にイベントを開催してみてはどうだ?」という内容の返答を頂きました。

 

一緒にイベントを行うメリットは、

・場所問題の解消

・イベント成功率のUP

・イベント規模のUP

etc…

以上を考慮すると、目的である復興支援を行うためには、SSSと一緒にイベントを開催することをが、一番賢明な選択でした。

 

●2018年11月18日

『多世代スポーツ交流イベント』をつどーむ(札幌)にて開催。

イベントには、子供から大人まで約150人がサッカーをはじめとする様々なスポーツに参加。

保護者や観覧者を含めると、約250人が集いました。

※開会式の様子

 

スポーツイベントでは、5コートに分かれたサッカーの交流試合を中心に、バトミントン、グラウンドゴルフ、ミニボーリング等も設置。

更に、SSS独自のスポーツ競技会も実施。(ドリブルや俊敏性、決定力等を測定し、個人データを瞬時にランキング化。)

※スポーツ競技会に参加する子供たち

 

また、イベントではお祭りコーナーを設置しました。

そこでの売り上げ【23,000円】を支援金に。

更にSSSからは、

クラブ支出金【15,000円】

社会人部門【12,000円】

SSSドリームプロジェクト地域環境向上基金の一部【30,000円】

を支援金として寄付。

 

合計すると、SSSから【80,000円】の支援金を募りました。

 

更に、SSSの協力企業であり、私の個人スポンサーでもある、株式会社スポトレンドからも【10,000円】をご協力頂きました。

 

イベント閉会式では、GFAの活動と連動して、海外サッカーチームのユニフォームプレゼント抽選会を行いました。

日本では絶対手に入らない、アジア各国リーグのユニフォームを、私と同じように海外で活躍する日本人選手たちに提供して頂きました。

和田翔太選手、佐々木瑞穂選手、村田勝利選手、東山晃監督、ユニフォーム寄付のご協力、ありがとうございました。

※抽選会にてユニフォームをゲットした様子

 

「もう1回!もう1回!」という抽選会のアンコールが鳴り止まぬまま、イベントは無事終了。

子供たちの大声援を聞いて、SSSと連携という形でイベントを無事に開催できたことを大変嬉しく感じました。

はじめは「自分1人でどうにかしなければ!」と、視野が狭くなっていた私に、厳しくも優しく、愛情たっぷりに協力して頂いたSSSの皆様には感謝しかありません。

本当にありがとうございました。

 

支援金寄付(YAGENフットボールクラブ 代表理事 石塚 東洋雄 様)

 

■支援金内訳

・GFA【4,373円】

・ホームテック(株)サッカー教室【5,627円】

・SSS【80,000円】

・(株)スポトレンド【10,000円】


合計【100,000円】の寄付を行いました。

 

 

●2018年11月26日

支援金の送り先は、震源地から程近い、浜厚真野原公園サッカー場を管理している特定非営利活動法人YAGENフットボールクラブ(代表理事:石塚 東洋雄 氏)さんです。

 

なぜ、浜厚真野原公園サッカー場に寄付をしようと考えたのか…。

それは、北海道内各カテゴリーの公式戦でも利用される貴重な天然芝グラウンドであり、その会場が震災以降は使用できない状況であると伺ったからです。

(ネットを支える柱が倒れてしまったり、地面が波打ってしまったとのこと…)

また、「サッカーを通じて集まった支援金は、サッカー界に還元したい。」という想いもありました。

 

私もSSSのスタッフと一緒に、現地へ訪問させて頂きました。

先に紹介した通り、石塚先生(元駒大苫小牧高校サッカー部監督)はYAGENフットボールクラブの代表理事であり、北海道シニアサッカー連盟の名誉会長、苫小牧地区サッカー協会の顧問でもあります。

※特定非営利活動法人YAGENフットボールクラブ(代表理事:石塚 東洋雄 氏):写真向かって左

 

石塚先生が「北海道のサッカー界のため、子供たちのために!」という想いから、2003年に天然芝のサッカー場3面のグラウンドを個人で開設。

私は石塚先生と初めてお会いさせて頂きましたが、その話を聞いて、サッカーに対する情熱をひしひしと感じました。

そして、私が今もサッカーをプレーすることができるのは、石塚先生のように、北海道のサッカー界の為に情熱を掛けてきた方々が居るからであると思いました。

その事実に感謝すると共に、できるだけ早く、このサッカー場が元の姿に戻って欲しいと強く感じました。

 

石塚先生から

「こちらは幸いにも、人的な被害は無かったのですが、台風と地震が続いて、グラウンドや施設に被害が及びました。地震後は、グラウンドも使用できず、本格的な復旧工事は来春になりそうです。その中、サッカー仲間を中心に色々な形でご支援を頂き、大変感謝しております。ありがとうございました。」

と、お話を頂きました。

※支援金を直接お届けさせて頂きました

 

北海道のサッカー界に大きくに貢献してきたグラウンドが、使用できないのが現状です。

色々な方のご協力の元、支援金の寄付活動を行わせて頂きましたが、グラウンドが元の姿に戻るには、まだまだ時間とお金がかかるのが事実であります。

今後も、自分ができることを永続的に行う必要性を感じました。

※2018年11月26日現在:浜厚真野原公園サッカー場の様子

 

※台風、地震の被害により、ネットを支える柱が根元から折れてしまっている様子

 

最後に…

 

以上で、北海道胆振東部地震発生から、サッカー教室とイベント開催、支援金寄付活動の報告とさせていただきます。

先にも述べたように、今後も永続的に復興支援活動を行う必要性を肌で感じました。

それはサッカーに限らず、今回の震災被害に遭った全ての方々に言えることです。

今回の活動を単発で終わらせるのではなく、海外で活動するサッカー選手だからこそできることを、今後も継続していきたいと強く思います。

そして、その第一歩目が北海道サッカー(浜厚真野原公園サッカー場)の現状を多くの方に知ってもらうことです。

テレビやニュースでは報道されておりませんが、震災被害を受けている方が居ることを、まずは皆さんに知って頂きたいです。

きっと、自分1人だけではできないことが、多くの人たちのパワーが集まることによって、より早い復興に繋がるのではないでしょうか。

 

※2018年9月7日、震災翌日にモンゴルにて撮影した写真

 

最後までご覧頂き、ありがとうございました。

 

大津一貴

About The Author

大津 一貴
夢を諦めて一般企業へ就職するも、22歳でがんを患い生き方を改める 。その後、脱サラして海外でプロサッカー選手に。モンゴル1部・FCウランバートル所属。1989年10月25日生まれ、北海道出身。

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